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ALEX MATTSSON Interview for FAKE TOKYO.com

2012 - 01 - 28



 

妖艶なBGMに差し込むグリーンのLEDライト、際立つ編み込みレザーのディティール。ショートフィルムで発表されたAlex Mattssonの記念すべきファーストコレクションは、古代ペルーにおいて高度なテクノロジーを有してたとされる「グリプトリシク人」をインスピレーションに、バイクカルチャーをミックスして創出されたオールブラックスタイル。

 

直線的なカッティングと巧みなレザー使いが特徴的なコレクションは、ミニマルでフューチャリスティック、それでいて不思議な崇高さを感じさせる。

 

コレクションの発売を記念して、デザイナー本人にインタビューを行った。

 

 

 

 

 

 

ーAlexはバックグラウンドがすごくインターナショナルだよね。スウェーデン人とコロンビア人のハーフで、スウェーデン生まれ、ノルウェイ育ち、そして今はロンドンに在住。このようなバックグラウンドはどのようにファッションデザインに影響していると思う?

 

もちろん影響はしているけど、はっきりと現れているわけではないと思うね。今まで育ってきて、どこにいてもホームって感じたことはないんだ。ノルウェイではコロンビア人だったし、コロンビアではノルウェー人だったし、スウェーデンでもそう。こういう「ホーム」が欠如していることによって、自分自身以外のカルチャーやインスピレーションを探索することができたんだ。だから自分のバックグラウンドを無理に反映している訳ではないかな。

 

ーデザイン美学やシグネチャー・スタイルを教えてくれる?

 

難しい質問だね!でも僕の作品は常に子供の頃の興味がインスピレーションになっているよ。ロボット、テレビゲーム、アニメや漫画、武器、ヒップホップ、ジェット戦闘機とパイロット、恐竜、忍者、バイクカルチャーとかね。
僕の美学に名前をつけるなら、「ノスタルジック・フューチャリズム」かな。最近はバイクカルチャーとサウスアメリカン・ギャングカルチャーが繰り返しテーマになっているよ。
技術的なところでいえばレザー使いやテイラーリングだね。

 

ーUCAの卒業ショーから現在のAW11コレクションまでの間、Alexのスタイルは継続的に進化してきたと思うんだ。2007年のUCAでのコレクションは、構築的なオーバーサイズジャケットやパネルが付いたスリムパンツで創られたダークなストリートスタイルだったけれど、2009年のRCAの卒業ショーではもっと多くのカラーを使っていて、パステルなレインボーカラーとデニムで構成されたフューチャリスティックなストリートスタイルだったよね。そして今回のAW11コレクションでのAlexのストリートスタイルはよりミニマルで洗練されていて、リッチなマテリアル、シャープなカッティングとレザーのパネルのディティールが特徴的だった。この間にどのように自らのスタイルを進化させていったの?

 

クリエイティブな面から見れば、僕は2007年にUCAを卒業したときと同じ人だよ。もちろん影響されることは変わって来たけれど、アイディアのソースは覚えている限りでは変わっていないね。
僕の作品の進化は、技術的な面や経験から来ているんだ。ロイヤルカレッジオブアート(RCA)で大学院課程をしているとき、伝統的なメンズウェアのテクニックだけではなく、それらを実現するためには根気が必要だということも学んだよ。ルールを破壊する前にしっかりのそルールを学ぶことは大切だと思う。
カラーに関して言えば、基本的にSSシーズンはすごくカラフルでグラフィックなどで遊びたくなるし、AWはブラックでダークな気分になるんだ。

 

ーAlexのAW11コレクション「Gliptolith(グリプトリシク人)」は、古代ペルーにおいて高度のテクノロジーを有し恐竜と共存していた異星人の存在を唱う不思議なセオリーを元に製作されているよね。どのようにこのインスピレーションをコレクションに反映したの?

 

白亜紀に地球に生息し、恐竜を飼いならし移動手段として使っていた異星人を想像したんだ。人類が馬を使うようにね。その異星人が恐竜に乗るときに着ていた服は、爬虫類の影響が細部に現れた乗馬着やモーターバイクウェアのようなものだったかもしれないというアイディアなんだ。
光ファイバーのライトはその異星人のテクノロジーを象徴しているんだ。

 

ーAlexはAW11とSS12のコレクションを発表するのにショートフィルムを製作しているよね。両フィルムとも各シーズンの力強いビジョンをうまく反映していると思うのだけど、フィルムによるプレゼンテーションのほうがランウェイショーやインスタレーションを行うより、Alexのコレクションを発表するには適していると思う?

 

それはYesでもあるし、Noでもあるね。理想的にはビデオもショーも両方したいね。ビデオは僕のコンセプトやビジョンを反映するのには素晴らしいツールだけれど、ショーは他のどんな方法にも代えられないエネルギーがあるからね。ビデオはショーに比べてお金がかからないから、スポンサーを見つけるまではビデオで発表を続けるかな。

 

ーAlexは毎日どんな服をきているの?僕のイメージでは、スリーブレスのTシャツにスリムなパンツにスニーカーっていう感じで、いつもすごくクールだと思う!

 

ありがとう笑。まぁそんな感じだね。Jean-Pierre Braganzaは仲のいい友達で、以前僕が貧乏学生だったころに服を提供してくれていたから、彼のメンズウェアはよく着ているよ。
今は自分自身のコレクションを着始めなきゃって思ってる。過去数コレクションですごくエキセントリックなワードローブを製作したからね!ライト付きの編み込みバイカージャケットがPR会社からもうすぐ帰ってくるから、すごく楽しみなんだ。それを着て外に出たら、少し注目を浴びるだろうけどね笑。

 

ーどんな音楽とかパーティが好き?

 

ずっとベースミュージックが好きなんだ。僕はサウンドに色が見えるシナスタジアの傾向があって、リズムがヴィヴィッドに動き回って3Dのシェイプになったり色を感じたりして、時々「音楽が見える」んだ。低周波音のサウンドスペクトルがすごくインスピレーションになるってわかったから、ダブとかエレクトロニックミュージックがすごく僕と共鳴するね。
メタルも好きなのだけど、それはまた違った理由で好きなんだ。抗争、システマティックなカオスっていうことだね。レイブも以前はよくいっていたけれど、最近はついて行けてないよ!

 

ー誰かすごく尊敬しているファッションデザイナーっている?
Iris Van Herpen、Thierry Mulger、Gareth Pugh、それと最近のManish Aroraかな。ManishのSS12のPaco Rabanneは最高だったね!

 

ーCandyはAlex Mattssonを取り扱う記念すべき世界初のショップになるね。Candyと日本の印象はどう?あと日本のカスタマーに何か一言お願いします。

 

まだ日本に行ったことはないのだけれど、早く行かなきゃって思ってるよ!日本と日本の人たちには常に興味があったからね。日本の人たちはハイクオリティでユニークなモノに格別の興味を持っていると思うね、僕もそうなんだよ!日本と僕は結ばれる運命だったんだね笑。
僕のカスタマーとなる皆さんへ。全てのガーメントはイーストロンドンのBowにある僕のスタジオで、僕と僕のアシスタントのハンドメイドで、愛情や色んな思いを持って、気をつけて作られているんだ。今のところ世界中で僕の作品が購入できるのはCandyだけだし、最高の場所だと思う!もし服に関して何か質問があれば、ぜひStudio@AlexMattsson.comまでメールしてほしい。愛着を持って取り扱って、プライドを持って僕の服を着てね。

 

 

Alex Mattsson (アレックス・マットソン)
ロンドンを拠点として活動する27歳のメンズウェアデザイナー。
スウェーデン人とコロンビア人のハーフである彼は、スウェーデン、ノルウェイなどで幼少期を過ごした後、2004年からロンドンのUCA Rochester Universityにてメンズウェアを専攻。在学中にはJean-Pierre Braganzaのもとでインターンシップを経験。その後ロイヤルカレッジオブアートで大学院課程に進学し、2009年6月の卒業ショーでマヤの予言とメキシカンバイカーギャングをテーマにしたコレクションを発表し注目を浴びる。今年2月のロンドンファッションウィーク期間中にファーストコレクション「Gliptolith」をショートフィルムにて発表。

 

http://alexmattsson.com/

 

UCA Rochester University 2007 Graduate Collection



 

RCA 2009 Graduate Collection




 

2011A/W “GLIPTOLITH”





 

AW11 ショートフィルム「Gliptolith」
http://vimeo.com/21463126

 

Interview by Yasuyuki Asano (changefashion.net)